ひじのケガとリハビリについて
肘のケガで最も多い症状が、内側の痛みといわれています。
そのなかでも重傷なのが、プロ野球選手にもみられる「肘内側側副靱帯損傷」最悪の場合は「肘内側側副靱帯断裂」です。
肘の内側の痛みに対するリハビリとしては、まずノースロー(投球禁止)。
患部の炎症をおさえることが先決であり、炎症がおさまるだけで痛みがなくなるケースもあります。
ノースロー期間中は何もしないかと思われることが多いのですが、この期間中のリハビリがなにより重要といえます。
その炎症の原因は、単なる「投げすぎ」のみではなく、肘まわりの筋力低下や可動域の低下、フォームのくずれなどがあげられます。
さらには肘以外に下半身や体幹、肩まわりに原因があることもあります。
投球動作において肘を痛める最も大きな原因は「過外反」といわれています。
レイトコッキング期から加速期にかけて肘は最大外反位となります。
言い方を変えれば「腕の過剰な"しなり"」です。
肘が外反すると、肘の内側の靭帯が引っ張られて損傷につながったり、その靭帯がついている骨や軟骨にまで影響をおよぼす可能性があります。
また肘の外側では骨同士が衝突し、骨や軟骨の損傷につながることもあります。
特に成長期には、上記のような骨の損傷が多くみられます。
肘の外反を制動する筋肉は、前腕回内筋群、手関節屈筋群といわれています。
肘のリハビリでは、上記の筋群のトレーニングが中心となります。
具体的には円回内筋、尺側手根屈筋、浅指屈筋などがあり、これらの筋肉の共通点は、内側側副靭帯と同じ上腕骨内側上顆についていることです。
靭帯をおおうようについているため、靭帯の補強ともなる筋肉です。
つまり、これらの前腕回内筋群、手関節屈筋群を補助するようなサポーターであれば、肘外反ストレスを抑制するとともに、靭帯の補強ともなります。